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2012年5月26日 (土)

東京電力業績

昨日のプレゼンに関連して東京電力の決算短信を掲載します。

昨日のプレゼンで使用された有価証券報告書は、決算日(東電は3月31日)から3か月以内に内閣総理大臣宛に提出する報告書ですが、これとは別に、上場会社は決算日から50日以内に証券取引所に決算短信提出することを義務付けられています。したがって、決算短信はより速報性があります。

「tepco.pdf」をダウンロード

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2012年5月22日 (火)

OECD経済見通し

以下は、日経電子版(無料版)の一部。下記URLは、教材として利用します。http://www.oecd.org/dataoecd/44/58/49995435.pdf

経済協力開発機構(OECD)は日本時間22日午後、日米欧などの経済見通し(エコノミック・アウトルック)を公表し、2012年の日本の実質国内総生産(GDP)成長率は2.0%増と予測した。東日本大震災からの復興に関する公的支出が景気を支えるとの見方から、昨年11月時点(同2.0%増)の予想を維持した。債務問題に揺れるユーロ圏については小幅なマイナスに下方修正した。

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2012年5月20日 (日)

推奨本

ミドラー・ポール『だまされて』(東洋経済新報社、2012年、2310円)

原著タイトルは、Poorly Made in China: Insider's Account of the Tactics Behind China's Production Gameであり、「だまされて」という日本語タイトルはミスリーディングである。中国起業家たちのビジネス手法ないしは交渉術について、在中国のアメリカ人コンサルタントが興味深い経験談を語っている。中国人ビジネスマンは、総じてタフ・ネゴシエーターであるが、彼らをタフにする事情と動機について教えられところが多い。

Book

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2012年5月16日 (水)

東京証券取引所のメルマガ最新号を転載します。

授業で使える経済ニュース「決算発表」

 5月11日(金)、上場会社の2012年3月期の決算発表がピークを迎え
ました。私も当日午後2時半頃、東証ビルの地下1階の記者クラブである
「兜倶楽部」に様子を見に行って来ましたが、決算書を抱えて発表の
順番待ちをする上場会社の財務開示責任者や、取材の記者やテレビ
カメラで身動きの取れない状態でした。

現在の多くの会社の特質としての「所有と経営の分離」は教科書にも
指摘されるところです。特に証券取引所に上場する会社は、それが
顕著です。会社の所有者である「株主」は、選任した「経営陣」に
会社経営を委託しています。そこで売上や利益、財務状態がどうで
あったかといった経営の結果を、経営陣が、所有者である株主に
報告するものが「決算書」です。(決算書は、金融商品取引法のベース
では「有価証券報告書」、会社法や株主総会のベースでは「計算書類」、
証券取引所のベースでは「決算短信」と呼び方が違うのでやっかいです。)

 決算発表とは、この決算書を証券取引所の「適時開示情報サービス」と
呼ぶ開示システムで公表して、また決算書を記者クラブで投函して行わ
れます。同時に上場会社の中には記者会見や記者の取材を受けることも
あります。決算発表が行われると、投資家は発表直後から決算書を閲覧
することができるようになり、報道も、発表当日から翌日の朝刊にかけて
行われます。決算発表は、その会社の株を所有する株主や会社の
株を売買しようと思っている投資家にとって、非常に重要な情報です。
 というのは、間接金融では、貸付先の審査は審査ノウハウのある銀行が
行い、融資先が倒産し回収不能となるリスクは銀行が負うことになり、
預金者は原則融資先の信用リスクを負いません。
 しかし、証券市場では、会社を選んで投資した結果は、投資家自らが
負うという「投資の自己責任」が原則です。投資の自己責任が成り立つ
前提として、正しい情報が開示され、その情報にもとづき、情報を知った
上で投資を行うという意味で、決算発表は重要です。

 決算書は、1年とか3ヶ月といった一定の期間を切って、その間の
事業活動で、会社がどれだけの売上や利益を上げたか等を定期的に
発表して行われます。東証の上場企業の場合、2011年では、1683社、
全体の73.8%が3月期決算です。3月期決算の会社は、学校での1年と
同様に、4月の新学期から翌年の3月までが1学年度になります。
今回の決算発表とは、会社の成績発表で、学校に例えるならば、
学年末や学期末の通信簿にあたるものと言ってよいと思います。

  また、学校では、1年間に、2つないし3つの学期がありますが、
会社の場合は、1年を3ヶ月づつ4つの期に分け、4月から6月末までを
第一四半期、7月から9月末までを第二四半期といった様に、
四半期決算も発表するようになっています。

 上場会社全体の3/4を占める3月期決算会社の、決算と決算発表を
時系列でみると、次のようになります。

 3月末: 事業年度終了。この後、3月31日時点の、資産・負債・資本
がいくらあるか。4月1日から3月31日までの1年間の売上高・利益は
いくらあるかを計算する。
 4月上旬~: 会社経理部門で決算書類(貸借対照表、損益計算書
など)を作成し、公認会計士のチェック(監査)を受ける。
 4月中旬~5月下旬: 取締役会で決算を承認し、同日、決算発表
される。報道もこの段階で行われ、投資家は情報を入手することができる。
 6月上旬: 株主に総会議案・決算書が記載された株主総会招集
通知を発送する。
 6月下旬: 株主総会。決算書が株主に説明される。
 6月下旬: 通常、株主総会終了後、直ちに、決算の内容等を記載した
「有価証券報告書」を各地財務局や証券取引所等に提出する(法定開示)。
金融庁のホームページで閲覧が可能になる。

 上場会社から発表される決算数値は、株式投資をする上で欠かせ
ない情報です。 事前の業績予測を比べて、実際の数字はどうだった
のか等がチェックされ、予想数字と大きく違うと、株価に影響すること
があります。

 また、投資家は過去の実績をもとに、今後会社がどのように成長
するかといった会社の将来性を見ており、その意味で、2012年3月期
の業績発表と同時に発表される2013年3月期の業績予想の数字は、
今後の業績を会社自身がどう見ているのかを示しますので、
ある意味では、重要な数字とも言えます。

 そんな重要な2012年3月期の決算発表ですが、既に、3月決算の
上場会社のうち約半数が決算発表を終えており、「損益が改善する
企業が、全体の半数を超えた模様」との報道もされています
(日本経済新聞、5月3日)。

 トヨタ自動車は、連結営業利益が1兆円となりました。昨年、
東日本大震災やタイ洪水の影響で落ち込んだ自動車生産が回復
するとともに、北米、アジアでの販売が拡大したことが要因です。
ソフトバンクは、iphoneによる増益効果、ファナックは、自動車
メーカー向けロボットなどがけん引してそれぞれ最高益となって
います。オリエンタルランドは、東日本大震災後のレジャー消費
自粛はありましたが、入園料の一部値下げやディズニーシー10周年
イベントなどで最高益となりました。また全日本空輸も、LCCなどとの
競争激化を受け航空機リース料や人件費などのコストを見直して
最高益を計上しています。。
 電機大手の業績は明暗が分かれました。日立は、不採算事業
から撤退する一方で、安定収益源を確保してプラント関連や
情報通信システムなど社会インフラ関連の貢献により連続最高益
となっています。他方、対応の遅れた、ソニー、シャープは、
テレビ事業の苦戦によりそれぞれ赤字拡大、赤字転落しています。
 東京電力は、最終赤字7,816億円を発表しました。
原子力発電所の停止に伴う燃料費が膨らみ、原子力発電所を
廃炉にする費用が加わって2期連続の大幅赤字となっています。
東電で懸念されるのは、財務の健全性の指標となる自己資本比率が
前年の10.5%から5.1%へと急激に減少している点です。

 企業の好業績とは裏腹に、株式市場のほうは一時日経平均が
9,000円を割れるなど冴えません。「欧州財政危機のもとで欧州の
政局を見極めようとして買いを見送る投資家が多い。(日経新聞)」
との報道もあります。

 このように、現在の好決算が、そのまま株価の上昇にはつな
がるというわけではありませんが、株価は、半年先を読んで動くと
いわれていますので、当面は、業績回復のなかで、株価が
どうような動きを示すのかが注目されます。


           (東京証券取引所 CSR推進部 榊原 宏司)

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2012年5月15日 (火)

推奨本

社会人候補生のゼミ生に。、労働法関連の好著を2冊推奨しておきます。

1)水町勇一郎『労働法入門』(岩波新書、2011年、840円)

2)大内伸哉・川口大司『法と経済で読み解く雇用の世界』(有斐閣、2012、1900円)

1)は労働法の専門家が、労働法の初歩を丁寧にかつ巧みな文章で解説する優れた著作です。2)は労働法と経済学の専門家による共著であり、労働法による労働者保護の合理性と非合理性をストリー仕立てで解説した興味深い著作です。内容的には、1)よりもやや高度です。私自身が労働法に精通しているわけではないので、ゼミで直接労働法を取り上げることはありませんが、卒論やゼミ論のテーマとしては推奨したい分野です。

 いずれにせよ、社会人になる前に必ず労働法のイロハを勉強しておくことを勧めておきます。

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